小山市が韓国・仁川へ訪問し、アジア湿地教育交流を推進!

2025年5月16日(金)~18日(日)、栃木県小山市が仁川広域市教育庁の招待を受け、アジアにおける湿地教育交流の推進を目的とした「アジア湿地学校ネットワーク推進の交流会」に参加しました。これに伴い、「アジア湿地学校ネットワーク推進派遣団」が組織され、日韓をはじめとする国際的な連携を深める取り組みが展開されました。

派遣団には、小山市長、市議会議長・副議長、複数の市議会議員、ゼロカーボン・ネイチャーポジティブ推進課の職員、下生井小学校の校長・教員、そして同校を2025年3月に卒業した中学1年生8名とその保護者が参加。さらに、わたらせ未来基金の職員のほか、ラムサールネットワーク日本、日本湿地学会の事務局長、田開(湿地教育研究として同行)も加わり、総勢約43名の訪問団となりました。

5月17日(土)には、クロツラヘラサギの誕生日イベントに参加。市民団体や大学生、EAAFP(東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ)職員などが出展し、子どもたちによる絵画展示や投票・表彰など、にぎやかな交流が行われました。

午後には、環境教育の先進校として知られるサリウル小学校を訪問。校内の田んぼやビオトープ、太陽光発電による自動水やりシステムなど、創意工夫を凝らした学習環境の整備について紹介されました。その後行われた「教育庁-小山市-仁川市」三者による政策懇談会では、日韓共通の教材づくりや、湿地保全活動に関する協働の可能性について意見が交わされました。

夕方には、韓国・日本の児童生徒による交流発表会が実施されました。韓国側は「クロツラヘラサギ小さな学校」の子どもたちがユニークな発表を行い、日本側は下生井小学校の卒業生が、コウノトリの飛来や生き物調査などの体験を踏まえ、将来の地域づくりに向けた提言を堂々と発表していたのが印象的です。

18日(日)はソウル市内へ移動し、清渓川の再生事例を視察。かつてのどぶ川が都市の魅力的な水辺空間へと再生された事例に学び、自然と都市が共存する環境のあり方について考える機会となりました。

今回の訪問を通して、国境を越えた子どもたちの学びと、湿地をめぐる教育の可能性が大きく広がることを実感しました。

本調査は、科研費25K17003「持続可能な地域を支える教科等間の連携を図る湿地教育の開発と実践」の助成を受けて実施しました。今後も湿地を通じた地域活性化や環境教育に貢献できるよう、研究を進めてまいります。